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2006年6月30日 (金)

国家の罠。

久しぶりに一気に読んだ。

ロジックがしっかりしているので読みやすい。
逮捕劇を「つかみ」にしているので、時系列が前後するが、前章を読み返すことで対処できる。

落合信彦氏以来、「インテリジェンス」に関する本が読めたのは幸いである。
ただ、(著者が主張する)鈴木宗男氏を陥れる国策捜査の黒幕が誰なのか、政治に疎くてよく分からなかった。

外務省内部の派閥抗争に関しては、著者も客観的に叙述できなかったようだ。
「さらば外務省!」(天木直人、講談社)
「私(ノンキャリア)とキャリアが外務省を腐らせました」(小林祐武、講談社)

を合わせて読まれることをお勧めする。

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて Book 国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

著者:佐藤 優
販売元:新潮社
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大江戸の姫さま。

「お姫様」の視点から大江戸を見ると、こんな風に見える。
図版、写真が多く、イメージが掴みやすい。

「お姫様」が政略結婚の道具だったことは間違いないのだが、「夫より長生きして、現藩主の実母、もしくは養母として権力を保持した女性もいた」というくだりを読んで、少しほっとした。

大江戸の姫さま Book 大江戸の姫さま

著者:関口 すみ子
販売元:角川書店
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2006年6月27日 (火)

医者にウツは治せない。

「つかみはOK!」なタイトルだが、中身は普通。

ラジニーシの著作を数回引用したり、ユングの幽体離脱体験を紹介しているところは差っ引いて読まなければいけないが。

本書で、サイコセラピストと紹介されている米倉一哉氏の発言、「薬にしても催眠療法にしても、松葉杖のようなものなんです。結局は患者さんが治るプロセスを手伝う道具にすぎない。(中略)道具の助けを借りて骨折が自然に治っていくように、心にも自然治癒力というものがあるわけです。」(P.130~131)

そのとおり。失恋して落ち込んだ時、立ち直るきっかけは、「あの人とは結ばれない運命だった」「次の素晴らしい恋愛のステップだ」などなど、[時間をかけて]「納得する」「悟る」「諦める」心の作業である。

ところが、たまには頭の中でネガティブな考えがグルグル空回りして、「死ぬしかない」などと思い込んでしまうこともある。そういう時は薬の力を借りて、時間をかければ治る状態まで心を引っ張りあげてもらうのである。

薬は補助的役割である(残念ながら)。だって、薬を飲んでも、愛した相手は戻ってくるわけではない。職場が居心地よくなるわけではない。ただ、何もしないで落ち込んでいるよりはよっぽどいい。

そして、少し良くなったら、この本に書いてある通り、薬を飲みながらでも、スポーツ(最初は散歩でもいい)や腹式呼吸をされてみてはいかがだろうか。

医者にウツは治せない Book 医者にウツは治せない

著者:織田 淳太郎
販売元:光文社
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2006年6月25日 (日)

覇王の夢

信長公がもし本能寺で死ななかったら…。
そんなことを夢想させてくれる本。

津本先生の、小説としての「信長」を読みたいと希望するなら、「下天は夢か」をお勧めする。

覇王の夢 Book 覇王の夢

著者:津本 陽
販売元:幻冬舎
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2006年6月24日 (土)

名をこそ惜しめ。

何という凄まじい戦闘だったのか。
圧倒されて言葉も出ない。

冷たい水を飲むこと。家族とご飯を食べること。こんな何気ない日常が、どんなに幸せか。

「兵は詭道なり」は、「いくさは騙し合いだ」と解釈するのが多数派だが、私はさらに深読みして、「戦争とはもともと危うい方法である」と捉えたい。

日本人にしろ、アメリカ人にしろ、戦争がなければ普通に暮らしていたはずなのに。
なぜこの亜熱帯の小島で、ろくな水・食糧もないまま病死し、あるいは死体も判別できないほど無残な死に方(敢えて戦死とは書かない)をしなきゃならんのだ。

泣きながら、気持ち悪くなりながら、怒りながら、一気に読ませていただきました。

名をこそ惜しめ 硫黄島 魂の記録 Book 名をこそ惜しめ 硫黄島 魂の記録

著者:津本 陽
販売元:文藝春秋
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2006年6月21日 (水)

新釈水滸伝。

中学生以来、久し振りの「水滸伝」。あの頃と比べて、中国の英雄、伝説、更には道教の神様たちの知識が格段に増えているため、理解しやすくなっている。
でも、「中国のアクの強さ」に対する違和感は相変わらずである。

なにより、百八人全員が梁山泊に集まって誓いの儀式をするハイライトまで書かずに終えてしまったのには驚いた。
それでいいのか、津本先生?

津本先生は「水滸伝」をこう書いた。では北方先生はどう書いたのだろう?かえってそこが気になる。

新釈 水滸伝〈上〉 Book 新釈 水滸伝〈上〉

著者:津本 陽
販売元:角川書店
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新釈 水滸伝〈下〉 Book 新釈 水滸伝〈下〉

著者:津本 陽
販売元:角川書店
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2006年6月17日 (土)

子どもたちを救おう。

子どもたちを取り巻く環境は依然として良くない。

しかし、この本に書かれているような改善の試みは少しずつ広がっている。

道は遠い。まず自分の子どもたちのために、やってみよう。

最終章にあった、「『簡単』の向こうには『荒廃』が待っている」の一文。

教育にしろ、何事も手抜きはご法度だ。

よく噛みしめておきたい言葉である。

子どもたちを救おう Book 子どもたちを救おう

著者:竹花 豊
販売元:幻冬舎
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2006年6月16日 (金)

少子に挑む。

少子化の原因が複雑多岐に及んでおり、一朝一夕には解決できないことが分かった。
原因もいろいろなら、対策もいろいろ。しかも、どれも特効薬ではない。
長い時間をかけてこうなったのであるから、回復するにも長い時間がかかる。
人間に例えると日ごろの不摂生がたたって内臓疾患に罹った、というところ。

利用されなくなったダムを壊すに壊せない話は怖かった。
廃墟となるだけでなく、急に壊れると被害をもたらす設備が今後増えていく。

首都圏に住んでいると考えも及ばないが、人がいなくなる集落や、「この地区は消防車、救急車は行きません」という町がでてくるのだろう。

もはや企業は少子化を前提で生き残りに動き始めている。
特に国内市場に依存する小売、流通、サービス業。

家族が揃って食事に来なくなったファミレス。
子供向けお菓子が売れなくなった製菓業界。
週末に家族1週間分の食料品を買い求める主婦が少なくなったスーパー。
すこしづつだが、変わり始めている。

今、気付いた。米国最大の小売業の○ォル○ートが韓国で撤退し、日本で苦戦しているのは、米国と異なる人口減少社会のせいではないか。

米国の合計特殊出生率は人口維持レベルの2.08に近い。

ということは、子どもが2人、3人の家庭が当たり前で、家族のために食料品、日用品をわんさかスーパーに買いに行く「ビッグ・ママ」が普通だ。そういうお母さんなら、ちょっと不便でも安く買える方がOKだろう。

しかし、人口減少社会ではどうだろう。

子育てを終えた二人暮らし、DINKS、独身貴族。スーパーでお金を消費できる世帯は、子どもがいない。人口減少社会の小売業は、この世帯に魅力的な店舗であることが必要だ。

海外に対する視点も興味深い。

中国は「1人っ子政策」を進めたために、「豊かになる前に老いる」。
超長期で見ると、BRICsの中ではブラジル、インドだろう。ロシアは現時点で人口減少が始まっているし、中国も少子高齢化する。

少子に挑む 「脱・人口減少」への最後の選択 Book 少子に挑む 「脱・人口減少」への最後の選択

販売元:日本経済新聞社
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2006年6月15日 (木)

わが屍は野に捨てよ。

一遍上人とはこんなにも激しい人だったのか。

最小限の所有物しか持たず、一つ所に留まらず旅を続ける。
武器も持たず、充分な装備もなく、体力的に強くない女性も含めて集団で移動を繰り返す。

鎌倉時代、これは死を覚悟した苦行だ。
実際、山賊に襲われて尼僧がさらわれてしまうし、遊行の合間に次々とお仲間が成仏してしまう。
そして一遍上人自身も…。

「緩慢な自死」だろう。敢えて言えば「集団自殺」に近い。
現代にご本人が現れたら、絶対「怪しい新興宗教」である。

この「怪しい新興仏教」が鎌倉新仏教の一つとして拡大するのは、当時が元寇、飢饉、流行病の重なる「末法の世」だったということか。
そして、文字通り死がすぐ傍にあるがゆえに、生あるうちに六字を称名して極楽往生が定まれば、歓喜の余り踊り出したくなるのだろう。

わが屍は野に捨てよ―一遍遊行 Book わが屍は野に捨てよ―一遍遊行

著者:佐江 衆一
販売元:新潮社
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2006年6月13日 (火)

現代物理学が描く突飛な宇宙をめぐる11章。

物理学者とは大変なお仕事だ。

物理学者は皆、物理現象はすべて「筋が通っている」とか「単純で美しい」モノだと信じている。(本の中では『対称性』という言い方を使っている)
ところが実際の実験結果は「よろしくない」ので、どうやって筋を通すか、「あーでもない、こーでもない」と理論を考えるのだ。

特殊相対性理論もそう。

「ローレンツ変換」とか言う数式のお陰で、どんな運動状態でも物質は光の速度を越えないことになった。
じゃあワープ0.9のスピードで飛ぶ「宇宙船エンタープライズ号」からワープ1のスピードのフェーザー砲を撃ったとき、止まっている艦隊司令部から見ると、フェーザーはワープ1.9のスピードで飛んでいるように見えるか?
いや、見えないんだ。「ローレンツ変換」のせいで。
じゃあしょうがない、時間の流れや距離の長さを変えて、光速を越えないようにしよう。

と考えたのがかのアインシュタイン先生。

ここは分かった。

あまりに微小な粒子(物質なのかエネルギーなのか見分けがつきにくいレベル)を観察するには、もはや粒子同士を思いっきりぶつけて、その壊れた破片や壊れる方を高感度センサーで調べるしかない。

ここまでは何とか分かった。

だが、この先の物理現象を綺麗に説明するために考えだされた色々の(不思議な)理論は???だった。

最後に、この本によると、あのGPSシステムは、GPS衛星に搭載された原子時計の相対性理論による時間の遅れや、地球上の原子時計の重力による遅れなど、相対性理論から導き出される誤差(みな「無視できる誤差だろ?」と思える)をもしっかり補正しないと正確な位置情報が出ないのだそう。
すごいもんだ。

現代物理学が描く突飛な宇宙をめぐる11章 Book 現代物理学が描く突飛な宇宙をめぐる11章

著者:スティーヴン ウェッブ
販売元:青土社
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2006年6月10日 (土)

炎立つ。

「近づくと火がつきそうに熱い」男と女たち。
高橋節炸裂である。
それはそれで楽しめる。
ただ、泰衡編になると、奥州藤原氏最大の謎「なぜ源義経を招いたか」「なぜ平氏討伐に奥州軍全体で参戦しなかったか」について明確でないような気がした。

読み比べということで、今東光氏の「蒼き蝦夷の血」1~4(徳間文庫)も合わせてどうぞ。

炎立つ〈壱〉北の埋み火 Book 炎立つ〈壱〉北の埋み火

著者:高橋 克彦
販売元:講談社
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炎立つ〈弐〉燃える北天 Book 炎立つ〈弐〉燃える北天

著者:高橋 克彦
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炎立つ〈参〉空への炎 Book 炎立つ〈参〉空への炎

著者:高橋 克彦
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炎立つ〈四〉冥き稲妻 Book 炎立つ〈四〉冥き稲妻

著者:高橋 克彦
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炎立つ〈伍〉光彩楽土 Book 炎立つ〈伍〉光彩楽土

著者:高橋 克彦
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2006年6月 3日 (土)

マンガをもっと読みなさい。

題名のとおり、マンガの宣伝本。

有名人の養老孟司先生をひっぱりだしてきている。

養老先生の「脳の中で、カナを読む場所と漢字を読む場所が違う」話が面白かった。

こんな本を出さないといけないくらい、マンガを読まない若者が増えたということか。

マンガをもっと読みなさい―日本人の脳はすばらしい Book マンガをもっと読みなさい―日本人の脳はすばらしい

著者:養老 孟司,牧野 圭一
販売元:晃洋書房
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